同時点火システム



たまに、同爆(同時爆発)と勘違いしている人もいます。
同時点火システムは、排気工程中に捨て火(無意味に点火行為を行う)を行うシステムですので燃焼はしません。
構造が簡単で故障が少なく、デストリビューターが不要なので、点火エネルギーを高くできる利点があります。
バイク用には良く使われています。
奇数気筒のエンジンには使用されない(使用できない)為、バイクでは3気筒とか5気筒が少ない理由なのかもしれません。

単気筒のエンジンの場合、通常はクランク一回に1回点火しています。
ですから、2ストも4ストも同じ回数だけ点火しています。
無意味な気もしますが、そちらの方が構造が簡単になり、機構の信頼性が上がるためです。

点火コイルの構造です。

基本的には、普通のコイルと同じです。(開磁コイル型もあり)
違いは、通常、二次コイルの(+)端子は、1次コイルの(-)端子と繋がっていますが、同時点火のコイルは2次コイルの両端子がそれぞれ別のコイルに繋がっています。

発生した高圧電流は、上の端子からプラグ1へ、下の端子からブラグ2へ導かれます。
当然、プラグ1と2は中心電極の極性は真逆で、磨耗も、プラグ1は中心電極が、プラグ2は接地電極(蔓)が磨耗します。
また、エンジン1回転に1回点火し、通常の点火装置の2倍の回数を放電するので磨耗も早く寿命は2/3ほどになります。

しかし、多気筒エンジンでは通常デストリビューターを使用して、電気を分配しているためどうしてもロスが大きくなります。
またコイルが複数個あるために流せる電流も多く、コンパクトで大エネルギーをプラグに供給できる強力な点火システムです。
最近では、DI(ダイレクト・イグニッション)が主流になっており、通常の点火方式でも強力になり、逆電位による磨耗も無くなりました。

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