高圧コンデンサー
ハイテンションコードに高耐圧コンデンサーを取り付ける方法です。
その昔「ガンスパーク」と呼ばれる商品名で売られていました。
他にもさまざまな方法がありますが基本的には原理は一緒です。
発生した二次電圧を一時的にコンデンサーに蓄電し、絶縁破壊が起きた瞬間、一気に流すことで放電電圧を高く維持する方式です。
通常の状態のグラフと重ね合わせてみました。
縦軸がコイル内の磁束密度、横軸が通電時間です。
左から最適、中央が回転数が低いとき、右が高いときのグラフです。
電圧はそのままで、高電圧を維持している時間が長くなっていると思います。
電流値も増えていて、一見よさそうに思います。
しかし、実際放電開始時間が遅れています。この遅れは進角の遅れで処理できるため、進角を進めてやれば対処できます。
そして最後の方、容量放電の時間がかなり短くなり、トータルでみても放電可能時間が短くなっているのがわかります。
つまり、放電時間を短く切り詰め、放電エネルギーを一時的に高くする能力があるわけです。
同じような方式で、プラグコードに導電性の網線を巻き付けると、プラグコードの被服が一種の絶縁層となりなり、コンデンサーが形成されます。
これを商品化したのが、コレで、原理的にはコンデンサーを取り付けたようなものです。
網線のかける部分の量を増やすことで、静電容量を増えるので、好みの静電容量を得ることができます。
こういった用途に使用されるコンデンサーは容量があまり多いと、スパークするための電圧全てを吸収してしまい、放電できなくなります。
また、進角も遅れるため、自動進角の調節範囲から外れてセイフモードに入ってしまう恐れもあります。
何事にも適度な量というものがあり、それを超えると改悪になってしまいます。