そのほかの点火システム



ホンダにAR燃焼方式という点火システムがあります。

正確には、点火方式ではないのですが、一風変わった方法で点火しています。
 このエンジンは2ストエンジンなのですが、排気側に可変ポート機構が組み込まれており、排気ボートが開くタイミグを連続的に可変するシステムです。
このポートが可変することで、エンジンの排気する量をコントロール出来、一種の可変圧縮比エンジンとなっています。
2ストの場合、混合気を一度吸い込んで、排ガスもろとも排気ポートに噴き出してしまいます。
その後、チャンバーで排ガスが跳ね返ってきて、混合気もろともシリンダーに押し込み、そのタイミングで排気ポートが閉じる為に、吸気される混合気の圧が高まり、一種の加給が行われます。

通常は、プラグ点火による運転が行われていますが、条件が揃えばAR燃焼モードに切り替わります。
AR燃焼では実圧縮比を上げることで、一種の自己発火を起こします。
ガソリンはプレイグニッションが起きないよう、オクタン価を上げていますが、AR燃焼ではわざとプレイグニッションを起こしてやります。
そうするとプラグ点火と違い、燃焼室のあちらこちらでほぼ同時に発火が起き、一瞬でシリンダー内に着火することが出来ます。
こうすることで、高圧縮比と高温燃焼が可能となり、低燃費、クリーンな排ガスの2ストエンジンが出来ました。

しかし、機構が複雑でコストがかさばり、4ストより値段が高くなっししまいました。
また、測定値ではクリーンでも、特有の排ガス臭があるため、搭載されたバイクのみでモデルから消えました。
詳しいことは、ここを読んでください。