コイルに流れる電流と、時間



通常、コイルには常時電流を流しておき、それを遮断することで高電圧を発生させています。

しかし、それはある一定の回転数での事。

縦軸がコイル内を流す電流量。これは磁束密度に比例し、2次電圧とも比例しています。
横軸が通電時間です。

磁束は流す時間が長いほど多くたまり、次に遮断したときに強力な高圧電流を発生させます。
しかし、回転数が低い時は飽和してしまい、それ以上電流を流しても磁束密度は増えず、単に抵抗となり点火コイルの温度をいたずらに上げることになります。
やがては、高熱に耐えきれないようになって、点火コイルは焼損してしまいます。
 かといって、点火コイルに流す電流を低くしてしまうと、高回転では十分な磁束がたまらず、発生する二次電圧が低くなってしまいます。

そこで、コイルの巻き数を減らし、コイルに流れる電流を抵抗で制限することで発熱を押さえる方法があります。
しかし閉磁コイルの場合、効率が良いので、元々巻き数を減らすことが可能なので、制限抵抗を設ける方法はと、開磁コイル型で多く見られます。
また、コンピューターで点火時期を制御するタイプでは、トランジスターをonする時間を調節することで、低速から高速まで理想的な電流量を確保する方法もあります。
コイルの代わりに、瞬間的に充電が可能なコンデンサーを使用したC.D.Iと呼ばれる点火装置もあります。

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