クランク角センサー方式



エンジンのクランクの角度を1°単位で測定し、正確な点火時期を割り出すシステムです。

1°毎に開けられた穴と、1気筒の上死点でに開けられた穴とがあります。

大抵はカムシャフトに取り付けられ、フォトトランジスタでセンシングしています。
本来なら、磁気の方が耐久性が高いのですが、1度単位というきめ細やかな角度をセンシングすることが出来ないためです。

エンジンの回転数は常に変化しています。
通常の点火システムでは、センサーが点火時期を捕らえてから、コンピューターが算出した時間、待機してから点火させます。
そのため、センサーの点火時期は、実際の点火時期より早い位置(進んだ位置)で信号を発生させています。
 そのため、急激な回転上昇があった場合、点火時期は遅れ気味に、回転が低下すれば進みに気味にならざるを得ません。
それを防ぐため、クランクの角度を読み取り、何度進んだかで点火時期を制御する方法にすることで、急激な回転変化でも確実な点火時期にする事が可能となります。
しかしその実、昔の処理速度の遅いコンピューターでは高域では処理が追いつかず点火遅れを防ぐ為のものではなかったかと思います。

しかし、実際はその差は微妙で、通常のライダーやドライバーは感じることは出来ないでしょう。
フォトトランジスタは汚れで動作がおかしくなりうまく働かなくなります。
また、コンピューターの性能も上がり、回転上昇や低下などを考慮して進角をコントロールできる為、この方式も過去のものとなりました。

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