フルトラ点火装置
機械的接点を排して、完全に無接点化した点火機構です。
基本的な構造はこのような感じです。
大抵はこのような磁力を用いた方式が使用されています。
LEDとフォトトランジスタを使用した光ピックアップ方式もありますが、LEDに汚れが付き、うまく動作すしなくなったりする事もあるので、現在はありま使用されていません。
また、発電機からの交流をセンシングして点火時期を決める方式もあります。これは発電機一体型コイルを使用するエンジンのに採用されています。
シグナルローターとコイル、そして磁石で構成されています。
ローターが回転すると、磁回路が形成され、永久磁石の磁力がコイルに流れることでコイルで微弱電流が発生、トランジスターに信号を送ります。
さらにローターが回転すると、磁回路が絶たれて逆方向の電流が発生します。
これを繰り返すことで信号を取り出すことが出来るようになっています。(右図:上下が電圧、左右が時間)
また、シグナルローターの厚みを一部変化させることで発生する電圧も変化する のでそれをし利用して気筒判別する方式もあります。
上図では突起が4本あり、4気筒エンジンのものです。当然、3気筒なら3本、6気筒なら6本あります。
ただし、これはカムシャフト側にピックアップがある場合のみで、単気筒エンジンや2ストエンジンではクランクシャフト側にピックアップがつく場合があります。
そうなる場合、ローターは通常の2倍の速度で回転するため、ピックアップの数は半分になります。
ただし、4スト単気筒の場合は、クランク1回転に1回点火させています。
そうした方が構造が簡単で信頼性が高く、また2スト用のパーツと流用が効くために、コストが安くつくからです。