よく30馬力って馬30頭分とか言われます。
基準として、英式馬力である(HP)の76kgのものを1秒間に1m持ちあげることをいいます。
また、仏式馬力である(PS)では75kgのものを1秒間に1m持ち上げることをいいます。
でも、馬ってそんなにひ弱じゃないです。
例えば75kgの体重の人を肩車して立ち上がるだけで1psになりませんか?。
人間でも最大では3PSぐらいの出力が出せますし、馬一頭だと8〜10psぐらいの出力があります。
正直なところ、馬力って何よ?
それを説明するには、今から、200年ぐらい遡らなければなりません。
その時代、産業革命が始まりようやく蒸気機関が生まれたころです。基準を作った人は、蒸気エンジンの発明したジェームス・ワットという人です。
彼は自分が作った蒸気エンジンを鉱山等に売り込むために、馬と比較してどれぐらいの性能があるかを示す基準として「馬力」という単位を作りました。
馬力が生まれた背景
その頃、石炭等を掘り出す鉱山では掘削中に出る水を汲み出すのに、馬を使っていました。
数頭の馬を使い、水が入った桶に紐をつけ、馬で引っ張り上げていました。
それが蒸気エンジンに置き換わったとき、そのエンジンの性能を表すのに、「馬○○頭分の仕事をします。」という基準が作られました。
そのため、馬一頭当たり、どれぐらいの仕事ができるかを表したのが1馬力です。
馬力の定義
1馬力の定義として、馬一頭が1日に汲み上げることができる水の量を基準としました。
朝から馬を働かせ、食事を取らせ、休憩もさせながら汲み上げられる水の量を単位時間に要約したのが1馬力の基本となりました。
ただし、そのままだと、馬の個体差もありましたし、蒸気エンジンの修理にかかる時間、仕事は止まったりもしました。
エンジンを買った人が不満を言わないように、馬一頭が1日当たりに汲み上げる水の量を1.5倍増しに見積もったのが1馬力となりました。
(つまり、馬の一日当たりの労働力の75%を1馬力としたわけです。)
馬力からkwへ
長らく使用されていた馬力も最近ではkw表示に移行するようになりました。
エンジンのシャシダイ等で馬力測定をしますが、馬力測定は、簡単に言うと発電機をまわし、何km発電できるからこのエンジンは何馬力と一度kwで測定してたら馬力に変換しています。
その変換の手間が必要ないというのもありますが、一番の原因は、「電気自動車」があります。
モーターは昔は馬力表示でしたが、はやくからkw表記になりました。
与える電力で簡単に出力が求めることができるからです。