トルバンド
エンジンの美味しい領域。それがトルクバンド。
例えば、アイドリングに近い回転数で走行してて、アクセルを目一杯あけてもなかなか前に進まないですよね。
逆に、シフトダウン等を行い、ある回転数にした状態だとアクセルを目一杯開くのが怖いぐらいに加速しますよね。
この差って一体なんてしょう?
摩擦や熱効率、吸排気効率等により、効率の良い部分とそうでない部分ができます。
それを表したのが、トクル曲線です。
トルクピークを中心に、大体トルクが落ち込む辺りまでがトルクバンドです。
走らせるときに、この範囲からエンジンの回転数が外れないように走れば気持ちよく走れる範囲です。
例えばこの二つのグラフ。
左右を比べた場合、左側のエンジン特性では、カタログ値で言えば最大トルクも最大出力も右のグラフより高くなっています。
所が、実際走らしてみると、最高速は左側のエンジン特性の方が高いものの、それ以外の場面では右の特性のエンジンには到底かないません。
一般的に、同じ出力でも大排気量のエンジンは右のような特性になります。
その為、同じ馬力であっても乗りやすく速いのです。
カムに乗る
今でもバイク等では聞く言葉です。
簡単に言うと、回転数を上げて行くと、吸気管長などの要因によりトルクの山ができる状態です。
そのため、その山にはいった瞬間を「カムに乗る」といいます。
この領域はきわめて狭く、また、カムプロフィールやバルブタイミングを変更すると、その位置も変わることからそう呼ばれているのかもしれません。
現在では、吸気管長によるトルクの山や谷がでないように、吸排気管の長さや径を調節したり、レゾネーターと呼ばれる空気の袋を吸気管の側面に取り付けています。