ギア比



これがギア比と車速度との比を表したグラフです。

右側の縦軸であるエンジン回転数と、横軸が速度です。
本数があるのはそれぞれのギアです。
 グラフでは見づらくなるので省略していますが、全ての直線は、(0)を通る直線です。

エンジンが7000rpmしている時、1速では50km/h
または、100km/hで走行時に4速では3800rpm
というふうな見方をします。

ギア比とトルク

エンジンの回転数には守備範囲があり、その範囲内で使えるギアがあります。
それを表したのが下のグラフです。

ギア比は、単純に言うと速度とエンジン回転数との比ですから、ギア比が高くなる(減速比率が大きくなる)とグラフが立ってきてます。
グラフが立ち、各ギアの守備範囲が重なるようになっているのを「クロスギア」と呼び、グラフが寝て、各ギアの守備範囲の重なりを小さくしたギア比をオーバーレシオギアと呼びます。
各ギアの変速比を変更すると、各ギア比線の立ち方が変化します。
最終減速比(スプロケの歯数や、デフギアのギア比)を変更すると、グラフ全体の傾きが変化します。
 見た目、オーバーレシオの方が幅が広く良いように思いますが、それが良いかどうかは後述します。

オーバーレシオ・ギア

ターボ車のように、トルクバンドが広い車に採用されています。
また、ギア比が高域まで伸びているので最高速も高く、高速走行時の燃費が良いのが特徴です。
反面、ギアのつながりが悪く、加速時には1〜2速落として加速したり、緩い坂などではギアが上手く合わないこともあります。

クロスレシオギア

NAや、ピーキーなエンジンに使用されます。
また、各ギアのつながりがよく、競技車両や街乗りメインの車両にも使われます。
低速走行での燃費が良くもなります。
反面、頻繁なシフト操作を必要とし、高速走行ではエンジンがうなりやすくもなります。

商用・乗用ギア

ギア段は限られた段数しかありません。
それを有効に利用するため、各段のギア比を変更し、良く使う範囲をクロスさせて両立させる方法があります。
低いギア(1〜3)をオーバーレシオにし、高いギア(3〜5)をクロス化したものが乗用ミッション。
低いギアをクロスし、高いギアをオーバーレシオにしたのが商用ミッションです。
 トラック等では重量を積載して走るため、出だしに高いトルクを必要とします。また、一度走り出せば速度変化があまりしないので、このようなギア比にしています。
1速はほとんど、重量積載時の発進用みたいなものなので、通称は飛ばして2速からスタートします。

多段ギア化

クロスレシオとオーバーレシオの両立の一つの手段として、多段化があります。
6速ぐらいの段数にすれば、クロスギアのつながりと、オーバーレシオギアの高域の伸びが両立できます。
燃費も良くなり、競技から街乗りまで両立できます。
しかし・・・・操作が忙しいのと、構造が複雑になるので高価になるのは仕方がありません。
まぁ、操作に関しては、飛ばしシフトすれば良いわけですが。

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