潤滑材

制動するのに、どうして潤滑しないといけないのか?。
潤滑材の使用目的としてとは、制動力のバランスを取るためや、ブレーキの鳴きを抑える為、パッドの磨耗を抑えるためなどに使用されています。

潤滑材の材質としてはカシューオイルやフエロード樹脂、カーボン等が使用されているようです。
ブレーキがフェードを起こす原因にもなりますが、無いとバッドやシューとして成立しません。
フェードを起こしたとき、モクモクと立ち上る煙がこの潤滑材がガス化したものです。

フェードについて

パッドの使用温度範囲を超えてしまうと、まず最初に潤滑材が融けてでてしまいます。
そうなると、結合材奥にある潤滑材もガスかして噴き出すことになり、表面に潤滑材の膜が出来てしまい、ブレーキの摩擦係数が極端に下がってしまいます。
これが「フェード現象」と呼ばれるものです。
これを防ぐために、ローター表面にスリット(溝)や穴をあけて、ガス抜きをしてやります。
通常走る場合は、ガス抜きが必要なほども高温になりません。
バイクのローターについている穴は、泥などの汚れが取れるように、自動車のものと比べて薄いので歪がでないように、放熱性を良くするためなど、それぞれの目的によってあけられています。

焼入れについて

ブレーキを使う前、よく「焼入れをする」といい、フルブレーキをかけたりします。
昔のブレーキバッドは必ず焼入れが必要でした。使用される潤滑材にバラツキがあり、低温でガス化するものから高温でガス化するものがあり、それが混ざっているので安定したブレーキンクグができませんでした。
 現在では、出荷前に熱処理を行い、低温でガス化する潤滑材を全て放出させています。
しかし、潤滑材は、バッド内部に均一に混ざっているものですが、表面から使われるのではなく、バッドの当り面よりすこし奥の部分から、温度が上がるたびにしみ出る感じで使用されています。
 購入したばかりのバッドは全体が均一に混じっているため、一回目のブレーキングでは表面の分と、通常使われる部分と両方の潤滑材がでてきて、多く分泌されることになります。
安定したブレーキングを行うには、一度焼入れして「層」を作ってやる必要があります。
これが現在のバッドに対する「焼入れ」です。
 とはいえ、普通はローターとの当り面が均一でなく、ローターとバッドの高い部分からあたってゆき、馴染んで行くものなので、バッドの表面が馴染む頃にはその「層」が出来上がっています。
ローターとバッドの当りが出るまでならしをすると思いますが、それで十分です。

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