結合材とそれに求められる性能

ブレーキに含まれるさまざまな物質を中に取り込み、ブレーキを形作る結合材です。
耐熱性を求められるために、通常はフェノールレンジが使われています。
(「ベークライト」と言った方が馴染みがあるかもしれません。石炭酸とフォルマリンで作られる樹脂で、発明した人の名前がベークライトさんです。)
 また、熱膨張率も重要で、通常の急ブレーキでもバッドは200〜300℃まで達します。
膨張率が高すぎても低すぎてもバックプレートとの膨張比率の違いで、剥離してしまいます。
断熱性も重要です。ディスクブレーキの場合、断熱性が悪いと、バッドの熱がそのままピストンに伝わってしまい、ピストンの温度が上昇、裏で押しているブレーギフリュードを熱してベーバーロックを誘発してしまいます。
 バッドは地金が接触する直前まで使えますし、磨耗したからといって制動力が変化することはありませんが、薄くなったパッドがアブナイ訳はそういうことがあるのです。
特にハードなブレーキングを行う場合、フリュードの管理も重要ですが、パッドの残量にも気をつけてください。

たま〜に、特性の異なるバッドを2種類用意して、表裏で使用する方もおります。
表側が低温のパッドで、裏が高温志向のバッドというふうに。
確かに、安定した制動力を得るためには、そういう手もありです。
しかし、低温では片側のパッドして主立った制動をせず、高温では片方だけになります。
結果、ダラダラとした中途半端な制動力となり、緊急ブレーキでは十分な制動力を得ることが出来ません。
簡単にいうと、低温指向のバットの場合、初期制動で十分な減速を行うことが出来ますし、高温志向では、ブレーキングの後半で減速が出来ます。
裏表違うバッドを使用すると、どちらの状態でも十分な制動力を得ることが出来ず、最終的には制動距離が長くなってしまいます。
また、使用する条件で、どちらかの磨耗が早くなるため、バッドの残量に左右差が出来てしまいます。
結局、そんな面でも不経済な結果に終わってしまいました。←オマエかい!

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