エンジンの寿命を伸ばすためのオイル交換



エンジンオイルは消耗品です。
使えば劣化してくるので、定期的な交換及び、一定距離毎の交換が必要です。
使用するバイクや、走り方、乗り方、使用するオイルや使用目的等によりその交換基準は異なります。
 また、バイクのエンジンは自動車のエンジンと比べて高回転や高温に晒される事が多い(空冷の場合)のと、クラッチやギアといった部品の潤滑も兼ねている為に寿命が短くなります。
XRの場合の交換の場合
XR250は、ドライサンプ方式を採用しています。
そのため、オイルタンクがエンジン外にあり、フレームと一体化しています。
そのため、他のバイクとでは交換手順が多少異なります。
おまじない
人によってマチマチですが、オイル交換前にエンジンを温める派と温めない派がいます。
また、オイルを抜いた後、エンジンを数秒間まわす人もいます。
温めないで抜く 温めて抜く オイルを抜いたあとでエンジンをクランキングする ドレインを外してた状態で2〜3時間置く
長所 底に溜まった浮遊物が一番最初にでて来る。 オイルがよく抜ける オイルラインに溜まったオイルも抜ける オイルパンに溜まったオイルが殆ど抜ける
短所 オイルが硬いので、古いオイルの残留量が多い 汚れたオイルが一様に分散し、ヘッド部にオイルが残留しやすい 空気を噛み混むので、一時的にオイル無しで始動となる。 放置中にゴミなどの空中浮遊物がエンジン内部に侵入する。
色々な方法がなります。が、それぞれに利点があり、これをしなさいというのはありません。
自分の気に入った方法でやるのが一番です。
 ちなみに、私は温めてから抜く方です。
そちらの方がオイルが経験から、より多く抜けるからです。
下準備
用意する道具はこれ。
10mmと12mmのメガネレンチ(または代用できる工具。スパナ等は不可)
オイルジョッキ、廃油缶
オイル受け
新聞紙、ウエス

新聞紙を地面にひいて、万が一オイルが漏れたときに対処します。
自分の敷地であっても、マンション等の管理地であっても漏れたオイルを放置するのはマナー違反。
きれいに使うためにも新聞紙を敷いておきましょう。
まずは掃除

給油口を空ける前に、給油口の周りや、ドレイン周辺の汚れをパーツクリーナー等で清掃します。
これは周辺からしみ出たオイルにホコリが吸いよせられ、大抵はゴミが付着しているからです。
それが給油中にどうしても混入するため、それをできるだけ少なくする為に清掃します。

こういった異物混入はオイル交換の頻度により累積的に増えてゆきます。
また、悪いことにこういう大きなゴミはフィルターではなく、ストレーナーに蓄積します。
通常、ストレーナーの交換にはエンジンの分解(自動車ではオイルパンを外す)しないといけないので、面倒です。
常識はずれの高頻度のオイル交換は逆にこういったゴミを入れることにもなるので結果としてエンジンを傷めるので注意が必要です。


新しいオイルをいれるときも注意が必要です。
観て解る通り、缶の上にもゴミが乗っています。これがジョッキにいれるときに入ってしまうのです。
当然、これもウエスで綺麗にふきあげます。
使用するウエスにも注意してください。ティッシュや布切れでは繊維が残り、それが混入してしまいます。
専用の紙ウエスはゴミの付着が少なく、品質が安定しているのでおすすめです。
布を使う場合、使い古しのブリーフが材質的に最高です。柔らかく、何度も洗濯されているので糸くずが出ず、また吸油性も良いので。
ただ、あまり人前では使いたくはありませんけど。
とはいえ、極度の精密部品でもないので、そう神経質になる必要もありません。
何気に作業するのではなく、すこしの気遣いで良くなるというだけの話です。
オイルを抜く
オイル給油口を少し開いた状態にしておきます。

こうすることで、空気が入り、オイルが排出しやすくなるのです。
開けっ放しでは虫やホコリが入ることがあるので、こうやって蓋を乗せています。

その後、二つあるドレインからオイルを抜きます。

これはフレーム一体型オイルタンク側のドレイン。
10mmのボルトです。
開けると勢い良く前方にオイルが出るので注意。とくに暖気した後でオイルを抜く場合は、火傷にも注意が必要です。


→これはエンジン側にあるドレイン。
暖気せずにオイルを抜くと、こちらからも結構な量のオイルがでてきます。
12mmのボルトです。

ドレインボルトは下手に手で受けず、潔くオイル受け皿に落としてしまう方が、火傷をせずに済みます。
廃油処理のとき、回収してパーツクリーナーで掃除してしまえば一緒ですから。
ドレインを閉じる
オイルが抜ければ、オイルを廃油缶に移して、ドレインを閉じます。
オイル受け皿からボルトを回収し、パーツクリーナーで清掃後、ドレインを閉じます。
私は、ドレインを閉じる前に、少量(20〜30cc)の新品のオイルを入れます。すると、中でたまってたオイルが押し出されてでてきます。それを確認した時点てドレインを閉じます。
バイクではあまり有効ではありませんが、ヘッドからオイルを注入するタイプのエンジン(特に自動車用)では古いオイルがよくでてきますよ。
オイルをいれる
抜けた量と同じだけ注入するのが基本です。
しかし、そんな抜けた量を再びオイルジョッキにいれたりして測るのはめんどくさいですし、廃油をオイルジョッキに入れるにも抵抗があります。
また、ドライサンプの宿命か、規定量は一度にはいらないのです。
まずは、オイル量は1.3L程をオイルジョッキにとります。
これを注入します。
これでほぼオイルタンク内のオイル量です。
次にキルスイッチをoffにして、数秒間クランキンクします。
続いて、エンジンを始動、10秒ほどまわした後、エンジンを止めます。
すると、オイル量が減っていますので、ジョキに500cc程用意して、レベルゲージの真ん中ぐらいまで注入します。
元通りに組み上げて、再びエンジン始動。
漏れ等がないか一通り点検して後で、オイルのレベル量を見ます。
これで規定値の間にあれば完了です。

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