ぴかっと秒速30万キロ



それは、電気を高熱に変換する装置
電球の簡単な構造です。

接点からきた電気は、フィラメントを通り口金に流れます。
フィラメントは「タングステン」と呼ばれる金属で出来ています。
フィラメントでは一定の抵抗値(電気を流れにくさ)があるために、そこを無理に通り抜ける為に熱がでます。
これをジュール熱といいます。

発生した熱
発生した熱が空気中であればその高熱で、まわりの酸素と結合しすぐに酸化してしまい電気を流さなくなってしまいます。
そこでガラスで覆い、酸素がない状態にします。
所が、酸素だけなくても上手く光りません。
発生した高熱は内部の気体の対流により、熱が外に運ばれるからです。
やがてはガラスを破壊してしまう上、フィラメントが高熱にならず赤くぼんやりと灯るだけになります。
そこで内部を真空にし、酸素も対流もない状態にを維持するようにします。
高熱から発せられる光
温度が低いときも物体は光を発しています。ただ、その光は人間の目では捕らえられないだけです。
波長の長い、「赤外線」と呼ばれる光です。
所がどんどん温度が高くなってくると、光の波長も短くなり、やがては人間の目でも捕らえられる範囲に入ってきます。
これが「可視光線」と呼ばれる光です。
さらに、温度が上がると波長も短くなり、人間の目では捕らえられない状態になります。
こが紫外線と呼ばれる光です。
波長はまだ高くなります。
さらに高くなると、今度は分子や原子の隙間を通り抜けれるほどに波長が短くなってきます。
これが「X線」と呼ばれるものです。
ランプはそのうち、可視光線と呼ばれる範囲を利用していますが、可視光以外の光もでており、ランプを点灯させるエネルギーの内、可視光に変わるのは本の10%程度だと言われます。
最近の研究で・・・
タングステンフィラメントの表面に、微細な凹凸を作る事で、赤外線を照射しないようにできる事が証明されました。
モルフォ蝶の発色である、構造色の原理の効用で、赤外線付近の熱線を照射せず、内部にとどめることで可視光のみを照射し、発光効率をあげる事に成功しています。
ただし、その微細な凹凸を作る技術がまだ確立されていないので、市販されるのはまだ先の事でしょう。
LEDよりは効率は低いですが、LEDより照度が高いため、まだまだ捨てたものではありません。
余談ですが、真空中では光は秒速29万キロ程ですが、空気中ではそれよりも遅い速度です。

進む