エンジン内部にオイルを溜めない方式
- ドライサンプ方式とは
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通常のエンジンは、エンジン下にオイルパン(オイルタンク)があり、ここにオイルを溜めています。
この方式を「ウエットサンプ方式」といいます。
オイルパン底に吸い込み口があり、そこからオイルを吸い上げて各所にオイルを供給しています。
ドライサンプ方式は、エンジン外にオイルタンクを設け、オイルポンプ1(スカベンジャーポンプ)により、エンジン底にたまったオイルをオイルタンクに送出し、オイルポンプ2により、各所にオイルを圧送します。
ドライサンプ方式を採用するメリットとして、
- エンジンを小型化できる。
- 冷却効率を良くできる
- オイル容量を増やせる
- 衝撃や横G等に影響されない確実なオイル供給が出来る
- 自動車の場合、搭載位置を下げることが出来る。
当然、欠点もあるわけで、
- オイルポンプが2台必要で、構造が複雑になりコストがかかる
- オイルラインがエンジン外にあるため、オイル漏れの危険性がある
- オイル交換時に内部にオイルが残りやすい
- オイル交換時に手間がかかる
- 重量が増える
- エンジンの搭載位置が言う程も下がらない。
そんなデメリットもあるため、採用したバイクや車は少ないのです。
- XR250はドライサンプ方式を採用しています。
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メリットとしては、上で上げた項目の1〜3です。
特にオイル容量の増加と冷却効率の向上は大きく、渋滞時でも油温が上がりすぎず、オイルの寿命が長くなります。
以前乗っていたバイクの倍近く、オイル寿命が長くなりました。
また、フレーム内部をオイルタンクにすることにより、軽量化も可能としています。
- エンジン搭載位置とオイルパンの関係(自動車のネタ)
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某マンガでドライサンプにすると搭載位置が下がるとあったので、すごく重心が下がるようなイメージが先行していますが、現在の車では良くて1cm程度しか下げれません。
この程度の低下では、運動性能が劇的に変化するとはとても言えません。
というのも、現在の車の場合、オイルパン自体が浅底になり、既に搭載位置がギリギリまで下げている為です。
また、エンジンにはフライホイールや、ATの場合、ATのオイルパンがあり、そのフライホイールと地面とのクリアランスの関係で、それ以上下げるとフライホイルが路面の突起物と接触するからちです。
むしろ、車庫調などサスペンションの全長を変更し、車全体の重心を下げる方が有効です。
レースでは確実なオイル供給の為、オイル容量を増やす為、冷却の為等にドライサンプを採用しており、重心を下げる目的ではありません。
とはいえ、少し昔の車であればそこまで設計していなので、ドライサンプの採用で下げることは可能です。
横G等で、油面が上昇し、オイルポンプが空気を吸わないようにと、クランクで油面を叩かないようにとの目的で、十分なスペースを空けて設計していますので。
- FF車の場合
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FF車であっても一緒です。
オイルパンは普通のサイズですけれど、やはりエンジン位置を下げれません。
それより下にギアボックスまたはATのオイルタンクがあるからです。
少しでも重心が下がるように、デフを上の方に移動させたり、傾斜角を大きく取ったりして、重心をできるだけ下がるように設計されています。
また、V型は直列より重心が高くなる傾向もあります。
- 某低重心の車でも同じです。
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低重心を唄ってる某メーカーのエンジンのオイルパンは浅底ではありません。
また、エンジンも見かけより高い位置にあります。
しかし、全体を見ればかなりの低い位置にあるのです。エンジンは通常エンジンとミッシンが結合された状態で重心が決まります。
そうなった時、その重心位置がどこにくるのかが問題となります。
通常の直列エンジンの場合、結合重心はおおよそピストンの辺り。最近ではヘッド部が大きくなり重心が高くなっています。
そのため、エンジンを傾けたり、樹脂製のインテーク・マニホールドやヘッドカバーを利用したりして重心を下げる努力をしています。
某低重心のエンジンの場合は結合重心はおおよそクランク軸より下にあります。
これはエンジン自体が後部にむけて傾斜しているので、エンジン先端が持ち上がり、見た目より高い位置にあるようにみえるためで、実際は見た目より重心が高いことはありませんが、格段に低いわけでもありません。
また、図で解る通り、デフがエンジンの最下部にあるため、例えドライサンプにしても、エンジンの位置はこれ以上下げれないのです。