CDIの修理

消えるように止まるエンジン
走行中、まるでキーを切ったように止まってしまうエンジン。
原因はプラグに火花が飛んでいないためで、こういった電気系のトラブルの場合こういった止まりかたをします。
後学の為に、安全な場所で走行中にキルスイッチを切ってみて、電気系のトラブルがでた場合のエンジンの止まりかたを観察しておくと良いでしょう。
IGスイッチ(メインキー)を切ってもおなじ症状になります。(回し過ぎて、ハンドルロックがかからない様に)
ただ、今回出た症状では半断線だったため、症状が安定せず消えていく途中で息を吹き返したりと、異常と正常が交互に発生する為、症状が異なりますが、異常が発生したときの状態は、IGキーを切ったときとまったくおなじです。

CDIは通常樹脂を充填しているので、分解不能となっています。
CDI外観
この充填は、電子機器を振動や水分、塵等から守るためで、部品や素子がバイクの振動で共振し、部品の足やハンダが割れないようにしています。
硬質なエポキシ系の樹脂で完全に固めてしまう方法と、ゴムのような柔らかい樹脂で固める方法とかあります。
ジョルカブの場合、後記の樹脂で、指で押すと弾力があり、どうやらゴムのようです。


cdi2.jpg(21488 byte)
今回、CDIの調子が悪く、診断の結果どうも半断線している模様。
CDIにつながる配線には問題はなく、最終的にCDIの内部で断線しているという判断となりました。


cdi3.jpg(14377 byte) cdi4.jpg(41731 byte)
カッターで切断したい箇所に内部の基盤に到達しない程度にV字型に切り込みをいれます。
充填剤に刃先が触れる程度がちょうど良いです。
その後、上の樹脂をニッパーやラジオペンチで剥がし、残った充填剤を爪楊枝等で剥がして行きます。
もし、充填剤がエポキシ系の硬い充填剤なら諦めて、新品に交換してください。
充填剤が割れるときに、基盤や素子が一緒に割れてしまいますので。


断線箇所は、憶測で赤い丸がある2箇所。症状と経験から割り出した、単なる勘です。
経験上、端子の付け根が振動でやられ易く、特にターミナルなど外部に配線を引き出す箇所などは、想定外の振動が伝わることがあり充填剤では対処しきれずそのままハンダ面に伝わって割れることがあります。
実際、割れといってもあきらかな症状が出ていれば、目視で解るほど割れていることが多いのですが、今回の症状では何回か一回に、調子が悪くなる。
プラグから火花が出るが、それが弱い程度では目視では解らない事の方が多いです。
念のため、他の箇所もハンタの焼き直しをしておきました。

しかし、症状は思ったほど改善されませんでした。
真の原因は、端子の途中で破断による断線がありました。
銅で出来たラグ端子が途中で折れていました。

戻る